英紙『タイムズ』が26日付で報じたところによると、英国政府は小型モジュール式原子炉(SMR)を建設し、従来のガス発電所や石油発電所を段階的に廃止するため、グレート・ブリティッシュ・ニュークリア(GBN)という組織を設立する予定だ。GBNは、イギリスの高級車メーカー、ロールス・ロイス[RR:LN]が現在建設中のSMRのためのネットワークを開発する。今月初め、ロールス・ロイスは英国政府に対し、国全体の電力危機を回避するため、SMRの開発資金について正式な協議に入るよう促した。ロールス・ロイスのSMR事業責任者であるトム・サムソンは、SMRは風力や太陽光発電のような天候に左右される再生可能エネルギーよりも信頼性の高いエネルギー源であると主張した。ロールス・ロイス社は、イギリスの多国籍燃料・化学企業であるイネオス・グループ[2523946Z:LN]ともSMR技術の開発について交渉していた。
現在、英国の電力のうち16%が原子力発電によって生み出されている。しかし、英国の原子力発電所の半数は2025年までに引退する。英国政府は、GBNの設立が同国の原子力発電能力の拡大を加速させることを期待している。2022年10月、英国の原子力廃止措置庁は、ウェールズ政府が設立したCwmni Egino社と、同社の北ウェールズでのSMRプロジェクトを支援し、同国での原子力開発に関する将来の協力を可能にするための覚書(MOU)に調印した。
情報源
https://www.thetimes.co.uk/article/uk-nuclear-power-plants-net-zero-hfgwvskj8
https://www.ft.com/content/21a54a90-1b51-4561-ba9e-c1677e0262ed
https://www.world-nuclear-news.org/Articles/UK-planning-for-rapid-nuclear-expansion