ロイター通信が5月30日に報じたところによると、オーストラリアのトップ電力会社AGLエナジー[AGL:AU]は、主要株主であり環境保護活動家でもあるマイク・キャノン=ブルックス氏の強い抵抗により、会社分割の計画を断念した。同社は、計画されている会社分割が同社とその株主にとって最良の道であると考え続けているが、キャノン=ブルックスは、この計画がAGLエナジーの再生可能エネルギープロバイダーへの転換を妨げることになると考えて反対した。
AGLエナジー社は、2021年半ばに分社化案を発表し、AGLオーストラリアというエネルギー小売業者とアクセル・エナジーという発電事業者に分割する計画を発表した。この計画では、アクセル・エナジーがAGLエナジーの石炭火力発電施設を引き継ぐ。株主の反対により、AGLエナジー社は会社分割を断念することを決定した。この決定には75%の株主からの承認が必要だが、同社株の11.3%を所有するキャノン-ブルークスの反対により、その見通しは否定された。ファンドマネジャーのジェフ・ウィルソンやオーストラリアの年金基金HESTAなど他の株主も同様に、会社分割後の同グループの脱炭素化支援能力を懸念している。計画見送りの決定を受け、AGLエナジーのピーター・ボットン会長、グレーム・ハントCEO、その他2名の取締役が退任する。オーストラリアのエネルギー転換が進む中、AGLエナジーの取締役会は、取締役会と経営陣の最適化を図るとともに、長期的な株主価値を創造するための最善の方法を決定するため、戦略的見直しを実施する。
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